第3話 無題(すみれとチェンジのカード)


「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・
「龍平、龍平ったら」
あたしは声をかけつづける・・・

「木之本さん、木之本さん」
「ほぇ?」
「まだ授業中よ」
「ほぇ〜!先生!」
あたしは居眠りしていたようだ。
「先生、あわわΨ※ΣΩ!ごめんなさい!」
「先生、残念だなぁ。寝言で男の子の名前を呼んでいたから、
彼氏かなって思って聞き耳たてたんだけど、龍平君のことを呼んでるもの」
教室中がどっと笑う。
「先生、ひどいですぅ」
先生は、あたしの耳元でそっとささやくように言った。
「休み時間に職員室まで来てくれないかしら、王子様」
「ほぇ?王子様?」
あたしはきょとんとした。

「え〜!あたしが王子様?そんなのいいんですか?」
あたしは、職員室で神宮司先生の前で大声を出してしまった。

ここから、話は前回のラストまでさかのぼります。
桃矢の研究室で眠りこんでしまった龍平を撮影していた知美は
あることを思いついてしまったのでした。
「あ〜龍君の寝顔、超絶かわゆいですわ〜!
この寝顔を、まだまだ思う存分撮影したいですわ〜!」
「!」知美の頭の上に電球が点きました。
「そうですわ!演劇部に龍君を参加させてしまえば撮影しまくり!
どうして、今まで思いつかなかったのでしょう!」
知美は友枝小学校の演劇部長でした。
さっそく、その次の週に龍平にお願いしたのでした。
龍平には、知美のお願いという名の命令を断る事などできるはずはありません。
「で、どんな劇の、何の役をするの?」
「『眠れる森の美女』のお姫様役ですわ〜!」
「お、お姫様!な、なんで?」

「だって、お姫様はせりふ少ないですし、寝ているシーンが多いですから
初めてでも大丈夫ですわ。(それに、寝顔を思う存分撮影できますし)」
「・・・そうなのかな」
意外にも、龍平がお姫様を演るというキャスティングに反対は出ませんでした。
演劇部は女子がほとんどで、男の役を女子が演じるのは珍しくありませんでした。
それに、龍平は女子にとっても人気があったのです。
問題は、誰が王子様役になるかでした。みんな、龍平の相手役になりたがり、
顧問の神宮司先生や知美が何を言っても、誰もあきらめなかったのです。
(知美は、もともと演じることよりも、監督というかプロデューサー志向なので
最初からナレーター役を選びました。
「それに、王子様では、龍君の寝顔を撮影できないですもの」)

キャスティングがどうどうめぐりになり、外が暗くなりかけた頃、
知美が龍平に尋ねました。
「龍君、誰が王子様になればいいと思いますの?」
「・・・お姉ちゃん」

「・・・というわけなの。私も最初は、木之本さんに王子様を演ってもらうのは
って思ったけど、王子様って、殺陣(たて)のシーンがあるでしょ?」
最後に悪い魔法使いを倒すところだ。
「木之本さん、中国剣術できたわね。演劇部の他の子で、そうゆうの
できる子がいないから、私もあなたでもいいかなって思って」
「そうなんですか」
あたしは考えた。演劇もおもしろそうだ。それに、5年生になってから
龍平とはクラスが別になって、放課後とか、あまり一緒にならなくなっている。
少しは姉らしいことをしなくちゃとも思う。
「わかりました。でも、あたしが王子様で、龍平がお姫様っていうので
本当にいいんですか?」
「それは、先生も気になったの。
そしたら、さっき、寺田先生がこの話を聞いて、
昔の友枝小でもあったんですって。
女の子が王子様で、男の子がお姫様だった『眠れる森の美女』」
「そうなんですか」
誰がそんな劇を演ったのかな、とあたしは思った。


「龍平、晩ご飯終わったら練習だからね」
「うん」
発表会の日はだんだん近づいてきた。
ふたりとも、もともと演劇部員じゃなかったから、他のみんなほどには
なかなかうまくならない。
もっと練習しなくっちゃということで、夕食後にふたりの部分を練習するようになった。
「ふたりとも、がんばっているのね」
「うん、ママ」
「で、どんな役なの?そろそろ教えてくれてもいいじゃない?」
「てへ。当日のお楽しみってことでいいじゃない」
あたしが王子様で龍平がお姫様なんて、ちょっと言えない。
パパは何も聞かない。発表会で何か言われるかな。

「まぁ、これは何かしら?」
龍平のせりふだ。
あたしは台本のト書きを読む。
「で、そのまま糸車に近寄って・・・糸車を触ってみる」
「うっ」
龍平は自分のベッドに倒れこむ。
「えっと、妖精さんたちが出てくるところはとばして」
台本を丸めると、剣の代わりに持つ。
「おう、なんと美しい姫君なんだ。私のくちづけで姫君が目覚めるなら」
台本を握った手を、宙に伸ばす。
「この剣に誓おう。この美しいいばらの森の姫を私は生涯愛しつづけると。
いざ、くちづけを」
あたしは龍平に顔を近づける。

その時、あたしは「気配」を感じた。
「クロウ・カードやぁー!」
「ケロちゃん!?」

窓から、カメレオンのようなものが飛び込んできた。
続いて、ケロちゃんが飛び込んでくる。
同時に
「すみれ、龍平、大丈夫か!」
パパがドアを開けて部屋に飛び込んできた。
カメレオンが、龍平に向かって跳ねた。
「つかまえるんだ!」
「う、うん」
龍平、パパ、ケロちゃんの3人がカメレオンを押え込む。
3人とカメレオンが、一瞬、光った。
パパが私に向かって叫ぶ。
「すみれ、封印するや!はようせんと、また逃げられるで!」
「う、うん」
あたしは大急ぎで杖を封印解除(レリーズ)する。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」

カードは無事に封印できた。チェンジというカードだ。
でも3人の様子がおかしい。
「みんな、どうしたの?」
パパは頭を抱えている。
「また、やってもうた」
ケロちゃんはあたふたしている。
「なに、なにが起きたの!」
龍平がパパに向かって言う。
「まさか、また・・・」
「ケロちゃん、そのしゃべり方、大阪弁じゃない・・・」
「すみれ、しっかり聞くんやで」
かわりに、パパが大阪弁をしゃべってる!
「驚きなや。わいがケルベロスや」
「な、何言ってるの、パパ。冗談は」
龍平が口をはさむ。
「冗談じゃない。俺がパパだ」
ケロちゃんがあたしに言う。
「お姉ちゃん・・・」
「ほぇ〜」

ママが部屋に入ってきた。
「ほぇ〜!また、チェンジのカードね!」
ママによると、3人が同時に触ったためチェンジのカードが発動したらしい。
その結果、ケロちゃんがパパの身体に、パパが龍平の身体に、
龍平がケロちゃんの身体に入れ替わってしまったようだ。

「ほぇ〜!こんがらがっちゃうよぉ〜!」


ピピピピピ・・・
「あふぅ。もう朝かぁ」
あたしは制服に着替えると、カードさんたちにおはようのあいさつをした。
「おはよう、カードさん」
そして、おそよー君を起こしに行った。
「おそよー!ほえ?」
ベッドに龍平の姿がない。代わりに寝ていたのはケロちゃんだった。
「〜ああ、お姉ちゃん?」
「ケロちゃん、なに言ってるの!龍平みたいなしゃべり方して」
「お姉ちゃん、ぼくだよ。龍平だよ。今日は夕方まで、この身体なんだから」
「そっかぁ。ごめんごめん。でも、ケロちゃんの身体だと着替えなくても
いいんだよね。一緒に、朝ご飯にしよう」
あたしは、ケロちゃんになった龍平を抱え上げた。

「おはよう・・・ほぇ?」
朝ご飯を食べに降りると、お決まりのやりとりをしている2人がいた。
「何が小僧だ」
龍平の身体になっているパパが言う。
「小僧で十分や」
パパの身体になっているケロちゃんが言い返す。
いつもならここで、パパの「ぬいぐるみ」のひとことが出るんだけど
その”ぬいぐるみ”は私の胸に抱かれている。
そう言いあいながらも、2人はしっかり朝ご飯を食べている。
「おはよう、すみれちゃん、龍君」
「おはよう」
あたしと龍平はママにあいさつした。
「ママ、パパは今日、学校に行くの?」
龍平の身体になっているパパは、制服を着ていた。
「そうよ。龍君、学校休むわけにいかないでしょ。大丈夫だよ。
パパならうまくやってくれるから」
「そうだけど、パパのお仕事はどうするの?」
「う〜ん」
ママの頭におっきな汗が浮いた。パパの身体になっているケロちゃんは
しっかりネクタイを締めている。
「本当に大丈夫?ケロちゃんにパパのお仕事なんかできないよ」
「ママが何とかするから。なんとかなるよ。絶対、大丈夫だよ。
だから、2人とも、朝ご飯にしなさい」
「は〜い。いただきまあす」

「いってきまあす」
あたしと龍平、そしてパパは家を出た。
「龍平、今日の時間割は?」
ケロちゃんの身体になっている龍平が、カバンの中でスケジューラを操作する。
「これ」
「1時間目は英語、2時間目は歴史か。今日はテストとかはないんだろ?」
「うん。だから、おとなしくしていれば、大丈夫だと思う」
大阪弁をしゃべらないケロちゃんって、やっぱり変。そりゃ、今は龍平だけど。
「あ〜!忘れてた!」
「どうした、すみれ?」
「今日の放課後、劇の練習があるんだ。どうしよう。
今からじゃ、パパはセリフなんて覚えられないし」
「どんな劇だ?」
(ややこしいけど)ケロちゃんになっている龍平が、台本を取り出す。
「これ」
「・・・『眠れる森の美女』・・・」
「パパ、顔が赤いよ?どうかしたの?」
「なんでもない」
龍平になっているパパは、台本を閉じると言った。
「これなら、休み時間中になんとかなる」
「パパ、すごーい」
なんで、すぐに覚えられるんだろう。


そのころ、木之本家では・・・
「ケロちゃん、お願いだから、うちでおとなしくしていて!
ケロちゃんがお仕事行ったら、小狼くんに迷惑がかかるんだから!」
「なにゆうとんねん!この封印の獣、ケルベロス様が小僧の仕事を
みてやるって言ってるんやで。少しは感謝してもらわんとな」
「そんなぁ。小狼くんが困っちゃうよぉ」
「困らん、困らん。わいが小僧の代わりにパパッと仕事してやるさかい」
(こーなったら、最後の手段をとるしかない・・・)
さくらは決心した。精一杯の作り笑いをして、冷蔵庫の扉を開いた。
「ケロちゃん、これ、何かなぁ〜?」
「プリンやぁ〜!こぐまやのプリンやないかぁ〜!」
いつのまにか冷蔵庫の中は、こぐまやのプリンでいっぱいになっていた。
小狼の身体になったケルベロスは、冷蔵庫に突進する。
そして、プリンを次々と食べ出した。
「あ〜プリン〜プリン〜」
(今だ!)
さくらは杖を封印解除(レリーズ)した。ケルベロスはまだ、プリンに夢中だ。
「リトル!」
「うぉ、うぉ、うぉ〜」
(くどいけど)小狼の身体になったケルベロスの身体が小さくなる。
「うぉ〜でっかいプリンや!もう幸せや!全部食ったる!小僧の仕事はそれからや!」
(これで、大丈夫ね)
さくらの作戦勝ちであった。


1時間目は無事に過ぎた。次の授業は歴史だ。龍平はあることに気づいた。
「パパ、パパ」
カバンの中からの声に気づいて、龍平の身体になっている小狼が
カバンをのぞきこむ。
「どうした?」
「大変だよ、今日の10分間プレゼン、ぼくの番なんだ」
「10分間プレゼンって?」
「自分がやった自由研究の内容を、みんなの前で10分間で紹介するんだ」
「俺にできるのか?もう、授業は始まるぞ」
「・・・うーん、そうだ!パパ、ホログラム・パワーポイントの使い方は
知ってるよね?」
「ああ、仕事でも使うからな。それで?」

2人が話をしているところを、クラスメイトが気が付いた。
「木之本、何、カバンと話してるんだ?」
「え、あ、ちょっとな。ロボペ(ロボットペット)の調子が悪くて・・・」
「ふーん、珍しいな。そのタイプ」
「ああ、父さんが香港で買ってきたやつだから。ヘヘヘ」

授業が始まるチャイムが鳴った。

授業が始まった。
「それでは、今日の10分間プレゼンは、木之本の番だったな」
「はい」
龍平になった小狼は、プレゼン内容の入ったディスクとロボペのふりをした
龍平を持って、みんなの前に出る。
「どうした、木之本。ロボペなんか持って」
「今にわかります」
龍平になった小狼はそう答えると、ディスクを端末に差し入れ、ケルベロスに
なった龍平を教壇の上に置く。ディスクが読みこまれると、ホログラムの
円盤が浮かび上がった。
「では、10分間プレゼンを始めます」
声を出したのは、ケルベロスになった龍平の方だった。
「今日のプレゼンは、ご主人様に代わって、このケルベロスがご案内します。
今、ホログラムに出ているのは、1908年にクレタ島で発見された
『ファイストスの円盤』というものです。書かれている文字は、線文字Aと
呼ばれ、最近になってようやく解読されました・・・」
(ややこしいけど)龍平になった小狼は、ケルベロスになった龍平の指示で
ホログラムを切り替える。
(こいつ、ずいぶんと詳しいじゃないか)
小狼は、そう思った。子供も龍平ぐらいの年令になると、親がかなわない
部分が出てくる。子供の成長ぶりを実感した一瞬だった。

「以上で、プレゼンは終わりです。ご静聴ありがとうございました」
小学生らしくない言葉使いで締めると、ケルベロスになった龍平は
ロボペらしく、プログラムが終了して動かなくなったふりをした。
「龍くん、すごーい!それに、そのロボペ、かわいー!」
クラスの女の子が声をあげる。
「木之本、いいけど、ちょっと凝りすぎだぞ」
先生は、半分あきれながら言った。

「・・・そうでしたの。それで、今日の龍くんの様子、いつもと違っていたのですね」
その日の放課後、なんとか劇の練習を終えて、あたしと知美ちゃんは
パパたちと一緒に帰ろうと、待ち合わせの場所に向かっていた。
「でも、すばらしいすわ。小狼さんは。今朝、台本を初めて見て、あそこまで
お姫様の役を演じられるなんて。とても初めてだとは思えませんわ」
「えへ」
そう言われると、自分のことじゃないけれど、ちょっぴりうれしい。
「それに、今日の体育の時間は大活躍で、みんなびっくりしてたそうですし」
知美ちゃんは話し続けた。
「それにそれに、今日の龍くん、いつもより大人っぽくってステキって、
クラスの女の子が噂してましたし(ライバルが増えてしまいましたわ)・・・」
「そうっかぁ」
あたしは今日の練習でやった、劇の最後の方のくちづけのシーンを思い出していた。
同じ龍平なんだけど、実はパパだと思うと、ずいぶん違った感じがした。
なんというか、安心できるというか・・・
「大人っぽいのって、いいかもしれないね」
あたしは、少しだけ、桃矢おじさんのことを考えた。

「あ、そうだ。衣装はどうなっているの?みんなの分まで、知美ちゃんが
準備するの大変でしょう?」
知美ちゃんはナレーションだけでなく、演出や衣装の手配も担当している。
「ええ。これだけの衣装を一度に準備するのは、私も初めてですから、
今夜、イギリスにいる母とTV電話で相談しようと思いますの」
「大変じゃない?」
「そんなことはありませんわ。すみれちゃんと龍くんを
さらにかわゆく美しくするためには、努力は惜しみませんわ〜」
「はう〜」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。
あたしはともかく、龍平をかわゆく美しく?
でも龍平は、クロウ・カードを集めていた頃のママにそっくりだ。
お姫様の衣装も、あたしより似合うかもしれないな。

その時、
「お姉ちゃん!」
あたしは声がした方を振り向いた。
「ケロちゃんさん!」
「知美ちゃん、今日は龍平よ。どうしたの?」
ケロちゃん、じゃない、龍平が、半ばなきべそになりながら、
こっちに向かってパタパタと走ってくる。
「パパが、パパが、いつもの3人に囲まれちゃって」
「あいつら・・・!どこ?」
「体育館の裏!」
あたしは龍平を抱きかかえると、知美ちゃんと一緒に走り出した。
「今日の体育のサッカーで、パパがあの3人をドリブル抜きしたんだ。それを」
「逆恨みってやつね」
「こっち!」

「パパ、大丈夫?!」
そこに、パパと例の悪ガキ3人がいた。
「ああ、なんとか大丈夫だ・・・」
龍平の身体をしたパパは、肩で息をしながらすわりこんでいた。
「あいつらは?」
「そこ」
3人はのびていた。
「大丈夫だ。少しだけ、気を使った。すぐに目を覚ますさ」
内気功を使ったようだ。
「パパ!」
龍平があたしの腕から飛び降りて、パパに駆け寄る。
「ぼく・・・ぼく・・・ごめんなさい」
「いいんだ、龍平」
パパは龍平の頭に手を置く。
「・・・ただ、今日の体育でもわかったんだが・・・
もう少し、身体を鍛えた方がいいぞ。歴史もいいけどな」
「・・・うん」
龍平は、涙をこらえながら答えた。

この日を最後に、龍平がいじめられる事はなくなった。

その日の夕方、あたし達は龍平の部屋にいた。
心が入れ替わった3人を、元に戻さなくちゃいけない。
「それにしても、小僧の身体っちゅうんは、ほんまに不便やな。空も飛べへんし」
「なんだと。人の服をプリンだらけにしておいて言うせりふか!」
結局、リトルのカードで小さくされたケロちゃんは、夕方までプリンを
食べつづけていたのだ。それも、プリンの中にダイブしながら。
「なんやて?わいは食いモンに対して、いつも真剣勝負なんや!」
「・・・食い意地はってるな」
「もういっぺん言ってみぃ、小僧!」
「やめてよ、2人とも。戻れなくなっちゃうよ」
龍平の言葉に、2人はしぶしぶと黙り込む。
「さぁ、すみれちゃん、チェンジのカードを使って、みんなを元に戻しましょう」
「うん、ママ」
あたしはチェンジのカードを取り出すと、深呼吸した。
龍平達が、互いに抱き合う。
「彼の者たちの心を入れ替えよ!チェンジ!」
3人は、カードから伸びた光に包まれた。

まもなく、3人を包んでいた光が消えていった。
それぞれ、自分の身体を確かめている。
「どう?」
ママが心配そうに尋ねる。
「2度あることは3度あるって、このことなんやな」
龍平が大阪弁で、妙に納得している!
「・・・また、この身体か」
ケロちゃんがつぶやいた。大阪弁じゃない!
「お姉ちゃん、今度は・・・パパの身体なの?」
パパがあたしを向いて、泣きそうな声で言った。

「ほぇ〜!今度はどうなっちゃたの?」
今度は、ケロちゃんが龍平の身体に、パパがケロちゃんの身体に、
龍平がパパの身体に入れ替わってしまったようだ!

(みんなで)「ほぇ〜!」


次回予告
待ちに待った発表会。
でも、いっぱい練習したし、ママもパパも桃矢おじさんも見に来てくれるし
失敗しないようにがんばらなくっちゃ。
ほえ、この「気配」?
まさか、こんな時にクロウ・カードが?

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれのドキドキ発表会

次回もすみれと一緒に
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